協立エンジ株式会社

KKシート40性能試験

1. 試験の目的

 現状のKKシート25は、コンクリートの最大骨材寸法25mmまでを適用範囲としている。
今回、河川・砂防、港湾等における一般土木構造物を対象に、最大骨材寸法40mm用KKシート40を開発し、打継目における力学的性能を検証した。
(KKシートの識別を明確にするため、KKシート25 KKシート40と記す。)

2. 強度試験方法

(1)試験の種類

公的試験機関において下記3種類の試験を行い、結果を比較することとした。

     
試験種類 適用基準 試験体形状 試験体数 備  考
曲げ強度試験 JIS A 1106 □150*150
L=530
3x3=9 材令4日で打ち継ぎ
割裂引張強度試験 JIS A 1113 φ150
L=200
3x3=9 材令4日で打ち継ぎ
せん断強度試験 JCI-SF6 □200*200
L=400
3x3=9 材令4日で打ち継ぎ

※それぞれの試験について、製作し比較した。

  • コンクリート一体打ち(打ち継ぎなし)試験体=3体
  • 凝結遅延剤による打ち継ぎ試験体=3体
  • KKシートによる打ち継ぎ試験体=3体
  • 曲げ強度試験
  • 割裂引張強度試験
  • せん断強度試験

(2)コンクリート

  • 試験体のコンクリート:24-8-40N
  • 一体打ちコンクリート(プレーン)は新コンクリートで製作した。
       
曲げ試験 引張試験・せん断試験 備  考
旧コンクリート
t=0日
新コンクリート
t=4日
旧コンクリート
t=0日
新コンクリート
t=4日
スランプ
(cm)
7.5 9.0 9.5 8.5
空気量
(%)
4.8 4.6 4.9 4.9
圧縮強度
(N/mm2
材令
28日
32.7 30.9 26.9 27.8 試験は
新コン材令
4週で実施

(3)各種強度試験結果の集計

     
試験結果(N/mm2)
曲げ強度 引張強度 せん断強度
一体打ち 3.8(1.00) 2.2(1.00) 3.3(1.00)
遅延剤 3.6(0.94) 1.2(0.52) 1.3(0.39)
KKシート40 3.4(0.89) 1.8(0.83) 2.3(0.71)

※(  )内数値は一体打ち試験体との比率を示す。

4. 考察

     今回のKKシート40の開発に当たり、最大骨材寸法40mmのコンクリートを使用し打ち継ぎ面の性能について、引張強度・曲げ強度・せん断強度の確認を公的機関(太平洋コンサルタント(株))にて実施した。
     その結果、打ち継ぎ目のない一体打ちコンクリートに比べて、曲げ強度で89%、引張強度で83%、せん断強度で71%の強度特性を有していることが証明された。また、同時におこなった凝結遅延剤を用いた試験結果との比較では引張強度とせん断強度にてKKシート40が上回っている。曲げ強度については遅延剤で94%、KKシート40で89%と若干下回っているものの、一体打ちコンクリートの強度に対して9割前後の性能が得られており、強度面での不足はないと判断される。
     また、参考のため弊社にてすでに販売しているKKシート25を使用し最大骨材25mmのコンクリートでおこなった諸性能と比較すると、下表のとおり同等以上の性能を示した。

     
最大骨材寸法による打継部強度比較表
最大骨材 一体打ちコンクリートとの比較(%)
寸法(mm) 曲げ試験 引張強度 せん断強度
KKシート 25mm 89 74 62
40mm 89 83 71

※25mmのデータについては、弊社カタログ数値より引用。

 以上より、今回開発したKKシート40はKKシート25の実績を踏まえ、コンクリートの良好な打継面を得ることのできる商品であることが確認できた。